エディトリアル・デザイン。つまり、新聞・書籍・雑誌など出版物のデザインは、昔から大好きでした。でも、身近に偉大な先輩、巨匠が多過ぎて、おいそれと「やらせて!」と口にできずにいた分野なのです。ですから、たまに依頼が舞い込むと、たいていは飛びつきます。なにしろ好きですから...。上のサンプルは、ブロードバンド画像配信協議会というところから出版された、「Video-IT Guide」という定価2,500円のムックです。この本の企画は、そもそものスケジュールが激烈に過酷なものでした。曰く、1週間で全セクション分のデザインサンプル提出。曰く、3ヶ月後には出版予定。曰く、予算は... あんまりアリマセン!それは厳しいな、と思いました。ですが、丁度その頃、愛用のページレイアウトソフト、Adobe InDesign の新バージョンが届いたのです(エディトリアルの仕事なんて殆どないのに、しっかりソフトは持っているのがご愛嬌)。そんなに厳しい条件付きなら、このソフトの『練習のつもりで』受けてみるか? ...と不埒なことを考えつつ、OKしたボクでした。ところがいざ蓋を開けてみると、原稿も写真も一向に届かないのです。それで入稿の〆切が不変なら『悲劇』ですが、その〆切を過ぎても何も届かない。色々と事情もあったのでしょうが、要は当初のスケジュールが過酷過ぎたのは、デザイナーのボクだけでなく、ライターさんもカメラマンさんも、そしてインタビューや取材をされる側の人たちも皆同じだった、ということのようです。おかげで、ボクは馴れないソフトとの格闘を楽しみつつ作業ができたのです。堪能しました!