第6話:タンクの凹み修復に挑戦
 

前2回に渡り、バイクの顔はエンジンとタンクと書いた。そのエンジンはまだピカピカからはほど遠いのだけど、もう磨き疲れた(飽きた)ので、次はガソリンタンクに手を付けることにする。 

ガソリンタンクは高い! Daytonaをはじめとしたサードパーティ製のアルミタンクは、どれも軒並み10万円前後する。ヤフオクに出品される中古品でも、落札価格は4万円前後だ。FRP製ならもっと廉価なものもあるが、こちらは最初から興味の対象外。そんなある日、シルバーの GB 純正タンクが出品された。誰も入札する気配がないので、ヒョイっと出し値で落札した(¥9,800なり)。 

届いたタンクは全体的に綺麗だったが、残念なことに左側面に小さな凹みが一つ。左前面に大きな凹みが一つあるのだった。シートに跨ってしまえば目に入る位置ではないが、なんとかならぬか思案する。すると、同じくヤフオクに「ひっぱり君で直せるタンクのへこみ!!!!!」というビックリマーク(!)連発の謎の商品が出品されていた。希望落札価格が¥2,800に設定されていて、要は一発落札商品である。...買ってみた。 

「ひっぱり君 基本セット」の内容は、専用の固形グルー棒とこの固形ボンドを溶かすプラスティック製のチープなグルーガン、修復作業後のボンドを剥がす際に使う剥離液、特殊な3点支持ブリッジ、取扱説明書、と極めてシンプル。要は、ネジ付きのステーにグルーガンで溶かしたボンドを盛って凹みに貼り付ける。しばらく冷ましてボンドがしっかり固着したところでブリッジにはめ、中央のナットを回して凹みを引っ張り出すということのようだ。こんなんでホントに上手くいくのかね?ま、とにかくトライしてみましょう。 ...と思ったのだが、いつまで待ってもグルーガンからボンドが溶け出してこない。なぜだ?

いったんグルー棒を引き抜いて中を確認すると、このグルーガン、作りが粗雑過ぎて(中国製)、グルー棒がきちんと加熱部に導かれていないのだった。仕方がないのでガンを分解し、役立たずのトリガーを取り外し、不要なボディ後部を乱暴に切断し、ボンド棒を手で押し込めるよう改造する。 ...さ、気を取り直して。 

ん?相変わらずボンドが溶けないんですけど。

ガン内部にある加熱部に触れてみると、どうも差し込んだボンド棒が溶けるほど熱くなっていない。電圧? ...あれぇ、このガン、125Vって書いてあるじゃん...?

仕方がないので、普段 Macに繋げている100V→125Vの変圧器を持ってきて繋いでみる。と。ワワワなんなんだコレは!?電圧が上がったとみるや、熱くなったガンから差してあったボンド棒が一気に溶けて溢れ出し、床を汚してしまた(...と、ココまででザッと2時間を無駄にしたのであった)。

以降5時間に渡って作業を続けた。我ながら根気強い(諦めが悪い?)。 
ステーにボンドを溶かし出してタンク凹みに貼り付ける。冷めるのを待ってブリッジを取り付け、引っ張る。ある程度の張力がかかると、パチンと音がしてタンクに張り付けたステーとボンドが外れる。タンク表面に固着したまま残ったボンドに剥離液を塗布し、ツメでしこしこ剥がす。またボンドを溶かし出してステーに盛り... 5時間かけてこの作業を30回ほども繰り返したろうか。見た感じ何も変わっていない。いやいやしかし、待て待て待て。デジカメで撮っておいた使用前の画像と比べてみよう。 

...やっぱりなんにも変わってない。 


100万歩譲って考えるに、中央の平面にある凹みだったら、ひょっとしたら上手くいくこともあるかも知れない、と思う。

 ...思うけど、たぶんもう二度と使わない。
2005年 10月 27日 木曜日