「パッケージデザイン」という言葉には2つ意味があります。1つ目は、パッケージを覆うビジュアルをデザインすること。もう1つは、パッケージそのものをデザインすること。うちの仕事は、前者が圧倒的に多いです。特にCD、DVDなどのパッケージグラフィックスは、音楽CDを始め、ここに掲げたSONYのディーラー向けPRディスクまで、種類も用途も様々です。中で、このCinezaのパッケージは海外ディーラー向けということで、全篇『欧文組版』を体験できたことが収穫でした。かたやのパッケージそのもののデザインですが、これはなんと云ってもPegの商品(男性下着)を入れる化粧箱の制作が一番面白かったです。箱の仕様そのものも手が込んでいて作り甲斐のあるものでしたが、それはいつか実物を手にとってご覧いただくこととして。うちはこうしたパッケージを制作したことがなかったので、いわゆる専門業者とのお付き合いがありません。探して(あるいはご紹介いただいて)新規のお取引先を見つけても良かったのですが、試みに付き合いのあるフツーの印刷所に話を持ちかけてみたのです。上がってきた見積もりを見ても、それが安いのか高いのか?わかりません。制作納期も早いのか遅いのか?わかりません。ええい、ままよっ!と、それをそのままクライアントにぶつけてみたところ、「えっ?そんな値段で?」「えっ?そんなに早く?」と驚かれました。現在日本中のあらゆる業界で起こっている異業種の参入による『価格破壊』の仕組みって、実はこういうことなのかも?と思ったのでした。