2000年から3年間、『演劇集団アーバンフォレスト』という劇団のためにアートディレクションをしていました。半ば仕事。半ば遊び。たまたま知人に勧められて、下北沢の小劇場へ彼らの公演を見に行き、あまりの面白さに感心して自ら裏方を買って出たのです。彼らに限らず、小さな劇団は大変です。役者として劇団として、生き長らえ続けるために「やらねばならないこと」が星の数ほどあるからです。彼ら本来の仕事は、面白い芝居を作り、練習し、上演すること、この3つだけのはずですが、世の中はそう甘くない。皆、やりたいことの為に、本当はやりたくないことをやり続けています。よくある話でしょうか?ボクは昔から、この「よくある話」に挑戦しています。いや、意図して戦っているわけではないので挑戦という言葉は妥当ではないかも知れませんが。ま、なにしろ、やりたい事がある時にはやらねばならない事を放り出してでもやる。思いついた時にやる。すぐやる。それで世の中、万事うまい具合に進む時もあれば、もちろん「あらら、やってもうた!」な時もあります。が、経験的に「閃き」が精彩を放つのはほんの一瞬であることが解っているので、そうせざるを得ないのですね。彼らの後方支援は、ボクにとって「やりたいこと」でした。ですので、通常の仕事と同様か、それ以上の真剣さで遊びました。僕らのコラボレーションは、当初お互いに勝手がわからず、少々ぎこちないものでしたが、上の第7回公演の頃から徐々に良くなってきて、次の第8回公演『NoBody, NoParty』では、これ以上ない完全なる調和を経験したのでした。